敷引特約についての最高裁判決
まずはじめに、東北地方太平洋沖地震の被害を受けられた方々へ、お見舞い申し上げます。
何かと慌ただしい日々ではありますが、平成23年3月24日、敷引特約についての最高裁判決がありました。
簡単にまとめると
・敷引特約が無効ということはできない
・敷引特約は,金額が高額に過ぎるものである場合は,特段の事情のない限り,無効となる
というものです。
つまり、通常損耗の補修費用を賄う敷引特約であるという事だけで無効になるわけではなく、金額が高額の場合に無効となるということです。そして、金額が高額かどうかの判断材料として、補修費用として通常想定される金額との比較や、敷引特約以外の内容である、礼金などの一時金や更新料の金額も加味したようです。
今回の判決について、金額面だけに着目すると以下のようになります。
家賃 9万6000円
保証金(敷金) 40万円(賃料の4.1倍強)
礼金等他の一時金 なし
更新料 2年で1か月分
敷引金 21万円(1年以上2年未満で、賃料の2.1倍強)
原状回復不要
=1年以上2年未満で解約時に、家賃2倍程度の金額の負担→高額すぎるわけではない。
更新料の裁判や他の事案においても、こうした金額についての考え方に基づき判断されるのかが気になるところです。
もし、金額面が重視されるとすると
例えば、東京周辺であり得る契約形態、敷金2月分・礼金2月分・更新料2年で1月分・原状回復要だと、高額とは判断されるのかされないのか微妙なように感じます。契約内容や年数によっても変わるのかもしれません。
今後の動向が気になるところです。
敷引き契約、高額除き有効 最高裁が初判断(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032401000916.html
マンション賃借:「敷金差し引き特約」有効 最高裁初判断(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110325k0000m040031000c.html
敷引特約:マンション貸借有効--最高裁初判断(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110325ddm012040096000c.html
平成21(受)1679 敷金返還等請求事件
平成23年03月24日 最高裁判所第一小法廷 判決
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110325093237.pdf
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